人口統計と日本経済

少子高齢化の影響で、日本は人口減社会になっています。14秒に1人のペースせ人口増加している米国はともかく、先進国の中でも突出していると言えます。

2008年のピークから人口は減少

日本の総人口は、2008年に1億2,807万人のピークを迎えて以来減少し続けています。IMFによる10月の推計によると2014年の人口は、1億2,706万人です。10年前の2004年の総人口は、1億2,775万人ですので、10年前に比べて約60万人の減少、またピーク時からは、約100万人の減少という事になります。

就業者数の推移

消費の担い手となる就業者は、1990年代中頃から、6,300万人から6,500万人程度で推移しています。景気や年齢構成の影響を受けるので総人口との相関は、それほど見られません。ただし、45歳以上の就業者数を比較すると2014年は約3,160万人、これに対し2014年は3,000万人で着実に増加していっている事が判ります。ゆっくりとではありますが着実に、労働の場においても高齢化の影響が現れてきています。

2013年から2014年の変化

以上は日本の人口構成によるベーシックな流れが数字に表れていると考えられますが、この一年間の就業者の動向を見ると非常に興味深い結果が現れます。

一年間の就業者数の変化
建設業:22万人の増加
医療・福祉:17万人の増加
製造業:横ばい
卸・小売業:22万人の減少

まず建設業の労働者数が非常に増えていますが、これは政策的な影響である事は明確です。一方、医療・福祉の労働者の増加と卸・小売の労働者の減少はファンダメンタルな流れと思われます。製造業については、円安の影響で一部の業種では改善が見られるものの、全体としてはプラスマイナス・ゼロの状態になっています。

まとめ

数字で見ていくと客観的に物事を判断する事ができます。これからの将来、日本で次の様な状況が顕在化していく可能性があると考えられます。

1) 卸・小売りは縮小するパイの奪い合いの中で、勝者と敗者の二極化が進む。
2) 医療・福祉は、高齢化の影響で拡大していくが、財政の問題が常にあり、どこかで均衡せざるを得ない。
3) 建設業は政策の下支えに依存しており、それを除いたファンダメンタルは非常に弱い事を認識しておく必要がある。
4) 不動産関連も建設業と同様と言えるが、特に地方は厳しい時代となる。
5) 製造業は現在は均衡状態だが世界にライバル企業も多く、量から質(技術の高さ)への転換に活路を見出す必要が生じる。

社会環境の変化や政策により、繁栄する業種や企業もあれば衰退する者もあるのが世の常ということでしょうか。

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