2年目に入ったNISA制度

2014年に導入されたNISA制度が2年目に入りました。

NISA制度1年目の状況

NISAの口座開設状況ですが、2014年6月には727万口座に達し、口座数そのものは順調に伸びているようです。しかし、実際に株式や投信に投資した割合(口座稼働率)は8月末時点で33.3%と低い水準に留まっています。また、2014年6月末時点における口座開設者のうち、実に75%が50歳以上というデータがあり、NISAのデータにも、金融資産や投資における世代間格差が良く反映されていると考えられます。

2015年の制度改正

2015年度の税制改正の基礎となる税制改正大綱には、年間の非課税枠を100万円から120万円に拡大すると共に、子どもNISA(親や祖父母が未成年の子や孫の名義で投資できるようにし、年間80何円までを非課税とする)を創設する事が盛り込まれています。また、2015年からは、当初はできなかった次の制度改正が決まっています。
・金融機関を1年毎に変更できる
・口座廃止後の再開設が可能になる

まとめ

金融資産を多く持つ高齢者がNISA投資においても大きな割合を占めています。株式投資をしている投資家は、非課税枠をある程度利用するのは当然の流れですし、ある程度、株価の下支え効果は期待できる制度と考えられますが、次の事には注意が必要でしょう。
・米国の様に幅広い年齢層が株式を始めとするリスク投資しておらず、株高のメリットを受けた事により、実態経済における消費動向が改善するサイクルは、日本においては弱い。
・5年という期限があるので、2019年頃から売り圧力が生じる事が予想される。
口座を開設しただけの人が7割近くいるというのが、良くも悪くも日本人の投資嗜好をあらわしているのかも知れません。

Sponsored Link