2014年12月18日、日銀が2014年7~9月期の資金循環統計を発表しました。統計データから見える家計の金融資産のポートフォリオ動向について考えてみたいと思います。
資金循環統計は、家計や企業、金融機関など部門別の資金移動データで、四半期ごとに日銀により発表されており、日本のお金の流れの動向を知る事ができます。これによると、2014年9月末時点における家計の金融資産残高は、1654兆円(前年同期比2.7%増)で過去最高を更新しましたが、伸びは鈍化しています。
個人の金融資産の総額1654兆円の主な内訳は、現預金が870兆円(前年同期比で1.7%増)、株式・出資金が156兆円(前年同期比5.6%増)、投資信託が86兆円(前年同月比14.9%増)となっています。
これは、アベノミクスがスタートする前の2012年9月末と比較すると、現預金は3.6%、株式・出資金は1.8倍という伸びになります。株式・出資金の1.8倍という値は、この間の株式時価総額の伸びとほぼ一致しているので、既存保有者の評価額が反映されていると考えるのが妥当でしょう。
現金で約半分を保有するポートフォリオは大きく変更せず、利益確定の好機を見定めているか、含み損が出そうになるまでは、とりあえず保有しておくスタンスの個人投資家が大多数なのではないでしょうか。案外、個人投資家は、過熱気味の株式市場に踊らされず冷静であり、政府やマスコミが考えるよりは、したたかな存在なのかも知れません。
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