ドル‐円為替相場の行方

一時は、1ドル80円を切るほどの円高に突入していましたが、今は100円くらいで一部の輸出企業にとっては、たいへん望ましい為替環境なのではないでしょうか。しかし為替相場の予想ほど、さまざまな要因が絡み合って難しいものもないでしょう。果たしてこれからどうなるのかは、良く判らない面もあります。経験的には、ある程度長いスパンでみると数十円単位では頻繁に変動しているので、個人としては一喜一憂しない事も、一つの手でしょう。

過去10年間のドル―円相場のチャートをYahooファイナンスで見てみます。
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100円を中心に、およそ±20円といった感じでしょうか。今から見ると2012年がドル―円相場の直近の底だった事になりますが、2011年頃は、更なる円高が進む事を予想する人もいた気がします。

弱い日本の強い円
佐々木 融著

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2011年10月12日発売の「弱い日本の強い円」は、当時の人々の率直な疑問を良く表している題名だと思います。なお本の内容は、為替予測ではなく、今までの為替の動きを判りやすく説明する内容です。実務の方が書いているだけあって、非常に参考になります。

さて今回の円安は、米国の金融緩和縮小と日本の大規模な金融緩和を背景とした金利差の拡大見込みが原動力の様に見えます。米国の金融緩和はリーマンショックから回復するためのもので、出口戦略が難しい事は面がありますが、この前提が崩れない限りは、以前の様な円高には大きく戻らないのかも知れません。
まあ極端な円安を予想する様な書籍が多く出始めたら、逆に円高に戻る転換点なのかも知れませんね。

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