先日、シティバンクが日本の個人向け銀行業務から撤退するとの報道がありました。
シティバンクは、個人向け銀行業務では世界でもトップレベルで利用されている方も多いのではないでしょうか。その魅力は、世界160ケ国以上に広がるネットワークで、外資系企業の幹部などには、海外で多くのATMが利用可能である点などが非常に重宝されていました。またプライベートバンクが邦銀のサービスには満足していない富裕層にある程度受け入れられていました。その様な意味では、邦銀と比較した場合、非常に優良顧客を抱えていると考えられます。
富裕層向けのプライベートバンクに限って言えば、HSBCも日本を撤退しています。海外と違い日本の富裕層の資産規模は、数億円程度がメインとされ、欧米の富裕層と比べ桁が1つか2つ小さいと言え、ビジネスの効率としては、両社を比較してしまうと日本の場合、見劣りしてしまう考えられます。
また銀行の収益モデルも日本の場合は、融資の利子がメインで海外の場合は、手数料がメインとも良く言われます。ちなみに同行は以前、利回りの高い商品を無理に顧客に販売したとされ、金融庁から業務停止命令を受けてました。以上の様な状況から、米国並みの収益維持は難しく撤退の判断となったと言えるでしょう。
さて事業の引受先ですが、優良顧客をどれほどつなぎ止められるか未知数なので慎重な所が多いとされています。しかし資産規模や顧客層は、特に規模の大きくない銀行にとっては非常に魅力的に映り、積極的にチャンスと捉えている銀行も、幾つか存在すると考えられます。利用者としては、提携などで海外ATMサービスは、何とか維持してもらいたいものです。
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