ドイツの新規国債発行がゼロに!

ドイツの財務相は、2015年の新規国債発行がゼロになる見通しである事を発表しました。

旧西ドイツ時代を通して、新規国債の発行停止は実に46年ぶりという事です。ドイツの財政健全化の努力が実ったという事でしょう。

ドイツの財政状況

ドイツの2013年度の歳出は約3,078億ユーロ(約42兆円)、一方、歳入は2,855億ユーロで、差し引き223億ユーロの赤字です。さらに2014年度は、赤字が67億ユーロに減少し、国債に依存しない財政の運営が可能となってきています。

政府債務のGDP比(ネット/グロス)
ドイツ:約50%/70%
日本:約140%/250%
米国:約80%/100%

債務残高のGDPに対する割合も上記の様に、日本と比べドイツは健全といえます。

経済規模や年齢構成の影響

ドイツのGDPは、近年世界4位の規模です。

名目GDP(2012年)
ドイツ:4兆4,259億ドル(4位)
日本:5兆9,601億ドル(3位)
米国:16兆2,446億ドル(1位)

一方の歳出ですが、次の様になっています。

歳出(2012年)
ドイツ:1兆5,110億ドル
日本:2兆5,700億ドル
米国:3兆6,490億ドル

日本は、GDPに対して予算規模の割合が高く、比較的大きな政府と言えるのかも知れません。

次に総人口にしめる65歳以上の割合である老齢化率も見てみましょう。World Population Prospects, the 2010 Revision(2010年)のデータを参考にします。

老齢化率(65歳以上の人口割合)
ドイツ:20.4%
日本:22.7%
米国:13.1%

ドイツも日本同様、高齢化社会と言えます。

まとめ

ドイツ財政の健全化は、次のような要因で達成されたと考えられます。

・法律などによる財政健全化への取り組み
・堅調な経済による税収の拡大

無駄な税金を使わず歳出を削減し、経済発展を促進し税収の拡大を図ることで、高齢化の進んだ国でも健全な財政の達成が可能である事を示しています。

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